導入事例-住友金属鉱山株式会社

住友金属鉱山株式会社

拡大するサイバー攻撃や災害リスクに対応したい
Webサイトを支えるクラウド基盤に必要な条件とは?

非鉄金属メーカー大手の住友金属鉱山は、“企業の顔”である公式Webサイトの新基盤にSTNetの「STクラウドサーバーサービス(FLEXタイプ)」を採用した。その最大の決め手となったのは“安心感”だ。公式Webサイトの役割が増す一方、サイバー攻撃や災害リスクは年々増大している。近年、政府機関や大企業のWebサイトがサイバー攻撃を受けたことは記憶に新しい。その点、同サービスは安全なエリアに設置された堅牢なデータセンターから提供される上、セキュリティ対策や運用サービスなどまでアウトソースできる。“止まらない”サービスを提供する新基盤は、同社の広報活動を支える重要なインフラとなっている。

ポイント

公式Webサイトの運用負荷を軽減し安定性・可用性の向上を図りたい

伊藤 順一氏

1590年、安土桃山時代に銅製錬をする企業として産声をあげ、420年以上の歴史を持つ住友金属鉱山。近年では、資源開発や非鉄金属製錬業以外にも、製錬技術を活かした電子材料・機能性材料部品を開発。ハイブリッド車や電気自動車のほか、スマートフォンなどに幅広く利用されている。

産業の根幹を支える資源や材料を供給する同社の取引先は、メーカーや商社を中心に多岐にわたる。事業はグローバルに展開しており、国内だけでなく、海外企業との取引も多い。こうした事業展開の中で重要な役割を担うのが、公式Webサイトである。「事業内容や最新情報を発信し、お客様や社会との接点強化を図るほか、投資家などのステークホルダー向けのIRサイト、学生向けのエントリーサイトとしての役割も担っています」と同社の担当者は説明する。

幅広い顧客や関係者との接点となる公式Webサイトは、グローバル企業の使命として24時間365日の継続運用が求められる。稼働が停止すれば、同社からの情報発信がストップしてしまうからだ。「公式Webサイトに求められる役割が増すとともに、お客様や関係者への影響も大きくなり、サービス停止は絶対に許されません」と担当者は語る。

そのリスクを痛感したのが、先の東日本大震災である。従来のサーバー基盤が計画停電の影響を受け、継続運用が危ぶまれる事態が発生したという。また、年々脅威が拡大するセキュリティリスクへの対応に加え、高まる運用負荷も大きな課題だった。「海外からのアクセスが急増する中、サイバー攻撃に対する“守り”をより強化する必要がありました。しかし、人的リソースが限られる中、日々のサーバーの監視・運用に加え、セキュリティまで含めた対応を自社で行うのは難しくなっていたのです」と同社の伊藤 順一氏は課題を述べる。

障害対応、セキュリティ対策を含めたトータルな運用サービスを評価

直面する課題解決のため、同社は新たな基盤への移行を模索する。重視した要件は大きく「安定稼働」「セキュリティ」「運用」「コスト」の4点。いくつものサービスを比較検討した結果、最終的に選定したのが、STNetの「STクラウドサーバーサービス(FLEXタイプ)」である。

STクラウドサーバーサービス(FLEX タイプ)は、最新鋭のデータセンターを基盤として提供するクラウドサービス。24時間365日の監視・運用にも対応する。“クラウド”特有の仮想ファイアウォールだけでなく、専用の物理装置(IPSなど)も組み合わせたハイブリッド構成を利用できることも大きな特長だ。専用環境なので、きめ細かな設定が可能で、高いセキュリティレベルを実現できる。「求める要件をすべて満たすバランスの良さが最大の決め手になりました」と担当者は選定の理由を述べる。

中でも高く評価したのが運用面だ。サーバーの運用自体をユーザー側に委ねるクラウドサービスが多い中、STNetはサーバーやセキュリティ機器の監視・運用のほか、障害の一次切り分け、セキュリティパッチの適用などにも幅広く対応する。「サービスレベルを確保しつつ、限られた人的リソースの中で煩雑化していたサーバーの運用をアウトソースすることができると判断しました」と伊藤氏は語る。

また、災害リスクが低く、安全なエリアで提供するサービスである点も重要なポイントとなった。「香川県は地震や津波などの災害リスクが極めて低い地域。基幹系・情報系システムなどを運用する既存のデータセンターとの併用で、リスク分散が可能になると判断しました」と担当者は述べる。

さらにこれまでの実績も採用を後押しした。「以前から当社のインターネット接続環境はSTNetのサービスを利用しています。大きなトラブルもなく安定運用してきた長年の実績は、今回の評価ポイントの1つになりました」(伊藤氏)。

従来の課題と「STクラウドサーバーサービス(FLEXタイプ)」の採用理由

“止まらない”サービスを実現 柔軟な基盤が情報発信力を高める

すでに同社は公式Webサイトを支える既存のサーバー環境の移行を完了。2016年の3月から本格運用を開始した。

導入からまだ間もないが、すでにメリットを実感しつつある。まず大きいのは、安心感が高まった点だ。

平常時はもとより、大規模災害時においては、顧客や関係者への迅速かつ的確な情報発信は、重要な責務となる。そのため、万が一、首都圏で大規模な災害が発生しても、“止まらない”公式Webサイトの運用を継続できる点は大きい。

公式Webサイトから発信する情報量が多くなると、それに応じたタイムリーな基盤構築にも期待が高まる。規模の拡大に応じて、CPUやメモリ、ディスク容量などを柔軟に組み合わせ、効率的にサーバースペックの向上を図れるからだ。「事業内容や強みをわかりやすく紹介するため、今後は動画コンテンツなどの拡充を図る計画です。高い柔軟性と拡張性を備えているSTNetのクラウドサービスなら、大容量の動画コンテンツの配信、それに伴うアクセスの増加にも即座に対応できます」と担当者は期待を寄せる。

STNetの提案により、“企業の顔”である公式Webサイトの安定性とリスク管理の向上を実現した住友金属鉱山。今後は可用性の高い安定した基盤を軸に、最新の事業活動やIRなどの情報発信力を高め、公式Webサイトのさらなる価値向上を図っていく考えだ。

PROFILE

社名 :住友金属鉱山株式会社   所在地 :東京都港区新橋5丁目11番3号(新橋住友ビル)  資本金 :932億円  社員数 :7384名(連結)
売上高 : 7861億円[連結]/6262億円[単独](2016年度)

事業概要 :1691年に稼行開始した別子銅山、世界有数の金鉱脈がある菱刈鉱山などを経営する。銅事業に関しては420年以上の歴史を持つ。海外企業との共同による資源開発プロジェクトなども多数手がける。長い歴史を持つ資源開発、非鉄金属製錬業のほか、電子材料・機能性材料の製造などを主力事業とする。
URL http://www.smm.co.jp/

掲載している所属部署名、役職名は2017年7月時点のものです。

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