導入事例
FOR BUSINESS

大塚ホールディングス株式会社

インフラ基盤のクラウド化を実現!
大塚グループはなぜパワリコを選んだのか?

大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品工業など数多くの有力企業を有する大塚グループ。激しいグローバル競争の中、同グループでは持続的な成長を目指すため、様々な事業改革を推進している。その一環として、製薬事業を支えるシステムであるGLP(Good Laboratory Practice)システムのインフラ基盤のクラウド化に舵を切った。そのビジネスパートナーとして選んだのが、STNetだ。極めて専門性の高いミッションクリティカルなシステムのインフラ運用を外部に委託する狙いはどこにあるのか。同グループの取り組みをこれから2回にわたって紹介する。

Before

  • グループ各社が独自のGLPシステムを保持し、異なるバージョンやカスタマイズによるシステム仕様の違いが生じていた。
  • 各社が別々にサーバー更新やシステム稼働検証を行うことで、固定費が増大し、作業負荷やコストが増えていた。

After

  • グループ内のGLPシステムのインフラを統合化し、クラウドへの移行を進めることで、インフラの共有化と固定費の抑制を実現した。
  • サーバーやネットワークのインフラをクラウド化することで、各社が独自にITリソースを持つ必要がなくなり、バリデーションの作業負荷やコストが削減された。

事業や業務の“棚卸”を実施 ノンコア領域の集約化を図る

鳥羽 洋三氏

アジア、欧米など世界28の国と地域で事業を展開する大塚グループ。“Otsuka-people creating new products for better health worldwide”という企業理念のもと、世界の人々の健康に貢献する“なくてはならない企業”を目指し、独創的な製品の開発に挑戦し続けている。

近年、製薬業界はグローバル競争が激しさを増し、価値ある医薬品をスピーディかつ適正な価格で提供することがより重要となっている。同グループも持続的成長に向け、事業基盤の再構築に着手。「メリハリを付けたコスト最適化による経営効率の改善、成長分野への経営資源の集約化などを推進しています」と大塚ホールディングス(以下、大塚HD)の鳥羽 洋三氏は話す。

これは人やモノ、さらには社内の情報やノウハウをグループ内で融合・活用していく取り組みだ。「すべての事業や業務を棚卸し、コアかノンコアなのかを検討。ノンコア領域は共通化してスリム化する一方で、研究開発をはじめとする新たな価値を生むコア領域には、これまで以上にリソースを集中投下していきます」と鳥羽氏は述べる。

その改革の波は、当然、IT環境にも及ぶ。「これまで、各会社がそれぞれ自前でシステムを導入していたため、グループ企業が互いのリソースを最適化し、効率性を高めることを決断しました。すでに販売システムや物流システムは統合を進めており、さらにGLP(Good Laboratory Practice)システム※1のインフラ基盤の共有化も進めることにしました」と鳥羽氏は語る。

製薬メーカー特有のGLPシステムの見直しを図り、インフラを共有化

GLPシステムでは大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品工業などグループ各社が同じアプリケーションを使用している。「しかし、バージョンが異なる上、各社独自に長年カスタマイズを繰り返してきた結果、全く異なるシステム仕様となっていたのです」と大塚製薬の徳島研究所 安全性研究センター センター長の森下 克美氏は述べる。

サーバーも各社で設置し独自に運用していた。「5年ごとのサーバーの更新とそれに伴うシステム稼働検証を行うバリデーション※2という作業が義務付けられており、それをグループ各社が別々に行っていました。固定費がかさむ上、更新と稼働検証に伴う作業負荷やコストの増大も大きな課題でした」と大塚製薬工場 研究開発センター 鳴門研究所 副所長の下野 和之氏は話す。

こうした課題の解消に向け、大塚HDでは数年前からITリソースの標準化、コスト削減に向けた仕組みの検討を開始。GLPシステム自体もコア/ノンコアに切り分けることにしたという。

システムのアプリケーションは各社のノウハウの集積であり、共有化は困難である。しかし、インフラは共有化が可能で、ノンコア領域に分類できる。この方針で改革を進めていけば、各社の強みを損なうことなく、システムを最適化し、新たな価値創出に向けた基盤強化につながる。

特にサーバーやネットワークなどのインフラをクラウドへと移行すれば、自前のITリソースを持たずに済む。「インフラを共有化することで、固定費を抑制し、バリデーションの作業負荷やコスト負担の削減も期待できます」と大鵬薬品工業 研究本部 安全性研究所 所長の森田 文雄氏は述べる。

製薬事業を支えるGxP基準の概要 ※2 バリデーション:システムが設定された仕様・性能どおり正しく動作することを検証、確認、保証すること、その過程を体系的に文書化し第三者にも分かるようにすることである。

データセンターの堅牢性・信頼性に加え 唯一無二の提案が決め手に

複数ベンダーの提案を比較し、最終的にパートナーとして選んだのが、STNetである。選定の大きな理由の1つが、移行先となるデータセンター「Powerico(パワリコ)」の高い堅牢性・信頼性だった。医薬品の研究開発部門では臨床・非臨床試験を含め、新薬開発に必須の非常に重要なデータを扱う。信頼性・可用性やセキュリティ、安定稼働については高度なレベルが求められる。

その点、Powericoは日本データセンター協会(JDCC)が制定した設備基準の最高水準であるティア4レベルに準拠し、高い耐震性に加え、セキュリティ面でも万全の対策が施されている。また電源設備の冗長化や72時間稼働の非常用電源など安定稼働を確保する設備も充実している。さらに立地条件にも優れ、津波や液状化のリスクが低い。

これまでの実績も評価した。大塚グループでは既に業務システムの一部にSTNetのインフラやサービスを利用している。安定的な稼働実績、高品質なサポート対応なども、今回のプロジェクトを任せてみようという社内機運につながったという。

納期順守も必達条件だった。「GLPシステムは3年に1回、規制当局の監査が必要ですが、クラウドへの移行からその監査までの限られた期間内でインフラを再構築できるどうか。それも大きなポイントでした」(鳥羽氏)。

しかし、それらだけでSTNetをパートナーに選んだわけではない。それ以上に重要なポイントになったのは、インフラの「運用」までサポートできる体制だ。これまで国内製薬業界において専門性の極めて高いGLPシステムのインフラ運用を外部にアウトソースした前例はない。本当にITベンダーで運用ができるのか。大塚グループ内でも懐疑的な意見も出る中、運用体制まで踏み込んだ提案をしたのが、STNetだったのである。

森下 克美氏
下野 和之氏
森田 文雄氏
※掲載している所属部署名、役職名は2017年1月時点のものです。

大塚ホールディングス株式会社様

課題 運用最適化とコスト削減
業種 製造業・鉱業
URL https://www.otsuka.com/jp/

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