ひとり情シスのためのデータセンター活用
～ITインフラの課題と解決ポイント

社内のクラウド利用やDX（デジタルトランスフォーメーション）推進により、ひとり情シスに求められる業務範囲は年々拡大しています。システムの安定運用やセキュリティ対策はもちろん、新技術への対応まで、限られたリソースで全てをカバーしなければなりません。本記事では、ひとり情シスが直面するITインフラの課題と、データセンター活用による効率的な解決方法について、具体的な選定のポイントとともに紹介します。

ひとり情シスが抱えるITインフラの課題

昨今のIT環境の急速な変化により、社内でたった一人の情報システム担当者、いわゆるひとり情シスの業務範囲は複雑化しています。ここでは、情報システムの担当者が抱えるITインフラの課題について見ていきましょう。

増大する運用管理の負担

クラウドサービスの普及やDX推進により、ひとり情シスの業務範囲はますます広がっています。日々のシステム運用だけでなく、セキュリティ対策やクラウドサービスの選定・導入まで、業務範囲は年々広がる傾向にあります。社内からの問い合わせ対応に追われるなか、新しい技術への対応や将来を見据えたインフラ整備までを担うのは、大きな負担となっているのが現状です。

コスト削減と安定運用の両立

経営層からはコスト削減を求められながらも、システムの安定運用とセキュリティ強化は必須です。老朽化した機器の更新や新規システムの導入において、限られた予算内での最適な選択に頭を悩ませることも少なくありません。特にクラウドサービスの利用が拡大するなか、月額費用の最適化や予期せぬコストの発生への対応も新たな課題となっています。

BCP対策における不安

地震や水害などの自然災害をはじめ、システム障害やサイバー攻撃など、事業継続を脅かすリスクは多様化しています。しかし、自社でBCP対策に必要な設備投資や運用体制を構築するのは、予算面でもリソース面でも大きな負担となります。特に、データのバックアップや災害時の復旧体制の整備には、専門的な知識と経験が求められます。

BCP対策について詳しくは、「中小企業が取り組むべきBCP対策とは？重要性と実践のポイント」をご覧ください。

データセンター活用で実現する効率的なインフラ運用

データセンターの活用は、ひとり情シスが抱える運用管理の課題を解決する有効な手段です。特にサーバー1台から利用できる小規模向けサービスなら、初期投資を抑えながら信頼性の高いインフラ環境を実現できます。

小規模から始められるデータセンターの活用

多くのひとり情シスは、データセンター利用に対して「規模が大きすぎる」「コストが高い」というイメージを持っているかもしれません。しかし、ハウジングサービスの小規模利用ができる場合、サーバー1台からでも高品質なデータセンターのメリットを享受できます。必要最小限の規模からスタートし、事業の成長に合わせて段階的に拡張できるため、効率的なITインフラ運用が実現できます。

ワンストップの運用管理サービス

データセンターの最大の特長は、専門家チームによる24時間365日の運用管理体制です。システム監視やトラブル対応はもちろん、技術スタッフによる遠隔作業サービスも提供されています。セキュリティ対策や設備管理など、ひとり情シスだけでは手が回りにくい業務を専門家に任せることで、本来注力すべき業務に集中できます。

将来を見据えた拡張性

クラウドサービスとの柔軟な組み合わせにより、ビジネスの成長に合わせた段階的な拡張が可能です。ハイブリッド環境の構築や、必要に応じた仮想サーバーの利用など、柔軟なインフラ整備を実現できます。

ハイブリッド活用について詳しくは、「ハイブリッドクラウドとは？メリット・デメリットと使い分け例を紹介」をご覧ください。

設備環境の有効活用

自社設備内にサーバールームを設置する必要がなくなり、そのスペースを会議室や執務室として有効活用できます。また、データセンターの最新設備やネットワーク機器を利用できることで、自社での設備管理から解放され、ひとり情シスの運用負担を大幅に軽減できます。省電力効果なども含め、総合的な環境改善効果を確認することが大切です。

これらの特長により、ひとり情シスは運用負担を軽減しながら、高品質なITインフラ環境を実現できます。

ひとり情シスに最適なデータセンター選びのポイント

データセンター活用の成功は、自社の状況に合った最適なサービスを選ぶことから始まります。ここでは、ひとり情シスの視点から、データセンター選びの具体的なポイントを解説します。

コスト削減効果

予算の制約に対応できるよう、初期費用と運用費用の具体的な内訳を確認しましょう。小規模からスタートできる料金プランの有無や、段階的な拡張に応じた費用の変動など、長期的な視点でのコスト分析が重要です。また、運用管理における人件費の削減効果についても、具体的な数値をもとに検討します。自社でのシステム運用コストと比較しながら、総合的な費用対効果を評価しましょう。

高可用性と信頼性の確保

担当者一人では実現が難しい24時間365日の監視体制と、冗長化された設備による安定したシステム運用が整備されているか確認します。電源設備やネットワーク回線の冗長構成、空調設備の安定性など、インフラ基盤の信頼性をチェックしましょう。特にトラブル発生時の対応フローと所要時間、バックアップ体制など、具体的な運用品質の指標を確認することが大切です。

セキュリティ対策

データセンターのセキュリティ対策は、情報セキュリティと物理セキュリティの両面から評価することが重要です。情報セキュリティについては、不正アクセス対策、通信の暗号化、マルウェア対策など、サイバーセキュリティ対策の実装状況を確認します。物理セキュリティについては、建物への入退室管理システムや監視カメラの設置状況、セキュリティゾーニングなどをチェックします。また、それぞれの対策における運用サポートの内容や、インシデント発生時の対応手順についても明確にしておく必要があります。

専門性の高い技術サポート

サーバー管理やネットワーク構築など、一人では抱えきれない技術的な課題に対して、気軽に相談できる体制があるかどうかを確認します。システムトラブル時の対応はもちろん、新技術導入時のアドバイスなど、技術面での支援体制の充実度を見極めましょう。日々の運用における疑問点から、将来的な技術課題まで、幅広いサポートが得られるかどうかが大事です。

柔軟なスケーラビリティ

将来の拡張を見据えた計画を立てやすいように、明確なスケールアップ・スケールアウトのプランが用意されているかを確認します。急な需要増加への対応や、新しいシステムの追加導入など、柔軟な拡張が可能な体制が整っているかがポイントです。クラウドサービスとの連携オプションや、仮想化環境の導入しやすさも、将来の選択肢の幅を広げる要素として確認しておきましょう。

これらのポイントを総合的に検討することで、自社に最適なデータセンターを選択することができます。単なるコスト比較だけでなく、運用品質や将来性まで考慮した選定を心がけましょう。

データセンター選びについては、お役立ち資料「失敗しないデータセンター選び 5つのポイント」もダウンロードしてぜひご覧ください。

まとめ: ひとり情シスのITインフラ運用を支えるデータセンター活用法

ひとり情シスを取り巻く環境は、クラウド化やDX推進により年々複雑化しています。システム設計から運用保守、セキュリティ対策まで、業務範囲は拡大の一途をたどり、限られた予算内での安定運用と将来を見据えたインフラ整備の両立が課題となっています。

このような課題に対して、データセンターの活用は有効な解決策となります。コスト削減や運用負荷の軽減はもちろん、高度なセキュリティ対策や24時間365日の運用監視体制により、ひとり情シスの業務効率を大きく改善できるでしょう。データセンター選びでは、初期投資の抑制、充実した運用サポート、将来の拡張性など、自社の状況に合った最適なサービスを選ぶことが重要です。

STNetのデータセンター「Powerico（パワリコ）」は、サーバー1台から利用できるコンパクトハウジングサービスを提供しています。必要最小限のユニット数（4ユニット）からスタートできる柔軟なサービスでありながら、ファシリティとセキュリティは大規模向けと同等の信頼性を確保します。JDCC（日本データセンター協会）が定めるクラス最高水準「ティア4」の堅牢な設備と、24時間365日の運用監視体制を備え、ひとり情シスの運用負担を大幅に軽減します。

Powericoの活用により、自社施設内にサーバールームを設置する必要がなくなり、オフィススペースの有効活用が可能になります。また、常に最新の設備環境を活用できるため、システムの更新や拡張もスムーズに進められます。

マネージドサービスとしては、お客さまからの電話1本で技術スタッフが遠隔作業を代行するリモートハンズサービスも提供しています。さらに、STクラウド サーバーサービス[FLEXタイプ]との組み合わせで、より柔軟なハイブリッド環境を実現できます。STクラウドFLEXはGUI画面で簡単にサーバー構成を設計でき、従量課金のない定額料金で、計画的なコスト管理が可能です。特にVコースでは、必要な分だけ仮想サーバーを利用できます。

堅牢性と運用性を兼ね備えたPowericoで、ひとり情シスの課題を包括的に解決可能です。経験豊富な専門技術員による充実したサポート体制で、お客さまのビジネスの成長を支えますので、ご興味をお持ちの企業さまはぜひお気軽にご相談ください。