ファイアウォールの基本ガイド!運用のポイントまで詳しく解説

課題解決のためのノウハウ
企業の大切なデータを守り、サイバー攻撃からの防御を固めるために、ネットワークセキュリティ対策は今や避けて通れない重要なポイントです。災害時のリスクや老朽化したシステムの脆弱性、そして運用保守の負担といった課題に直面している企業担当者は多いのではないでしょうか。ネットワークセキュリティ問題に対処するためには、セキュリティ対策の種類を理解し、自社に最適な対策を選択する知識が不可欠です。
本記事では、ネットワークセキュリティの基礎から、具体的な対策方法までを詳しく解説し、多くの企業が直面するセキュリティリスクを最小限に抑えるためのガイドを提供します。悩める企業担当者の方はぜひ最後までご覧ください。
クラウドやデータセンターのセキュリティについては、こちらの資料で詳しくご紹介しています。
ネットワークセキュリティとは、企業の情報資産を不正アクセスやサイバー攻撃、災害から守るための戦略・プロセス・技術の総称で、データの機密性・完全性・利用可能性を保証することを目的としています。機密性は情報を権限のない人から守ること、完全性は情報が正確かつ完全であることを保証すること、そして利用可能性は必要なときに正当なユーザーが情報にアクセスできることをそれぞれ意味しています。
ネットワークは大きく「オープンネットワーク」と「クローズドネットワーク」に分けられます。オープンネットワークは、インターネットのように誰でもアクセス可能なネットワークで、情報の共有に適していますがセキュリティリスクは高くなります。一方、クローズドネットワークは限られたユーザーのみがアクセスできるプライベートなネットワークで、企業内部のLANがこれに該当します。セキュリティレベルは高いですが、柔軟性に欠ける場合があります。適切なネットワークセキュリティ対策を行うことで、これらのネットワークを安全に、かつ効率的に利用することが可能になります。
ネットワークセキュリティ対策を怠ると、企業や組織はさまざまなサイバー攻撃のリスクに直面します。ここでは、ネットワークセキュリティに関連する具体的な被害事例を挙げ、その重要性をあらためて確認します。
ある公的機関では不正アクセスを受け、サービス加入者の個人情報約125万件が流出しました。この攻撃は、マルウェアを含む添付ファイルがメールで送られ、職員がそれを開封したことから始まりました。送られたメールは計124通で、5名の職員が開封し、31台の端末がマルウェアに感染したのです。この事例は、メールによるマルウェア感染が原因のため、DLPやNACなどのネットワークセキュリティ対策の不備が関係している可能性が高いと思われます。
スマホ決済サービスを営む民間企業への不正アクセスでは、約260万店の加盟店情報を含む2,007万件以上の情報が流出した可能性が指摘されました。原因は、サーバー更新の際にアクセス権限を一旦変更したのちに、その設定を元に戻さなかったことにあり、ファイアウォールの不備に関連している可能性があると思われます。
サイバー攻撃について詳しくは「サイバー攻撃とは?さまざまなリスクから自社を守るための対策を解説」をご覧ください。
サイバー攻撃の現状については、以下の資料で詳しく解説しています。
ネットワークセキュリティ対策は、ネットワークの種類に応じて異なるアプローチが求められます。ここではオープンネットワーク(クラウド環境含む)とクローズドネットワーク、それぞれに特化したセキュリティ対策を解説します。
ファイアウォールは、企業のネットワークへの入口に設置され、外部からのデータトラフィックを監視し、信頼できるもののみを通過させる役割を果たします。不正アクセスやサイバー攻撃を防ぐために、ファイアウォールは不審な通信を検出し、ブロックすることでネットワーク内のデータとシステムを保護しています。また、組織のセキュリティポリシーに基づき、どのような通信が許可されるかを定義し、管理することも重要です。企業のセキュリティニーズに合わせた設定のカスタマイズ、定期レビューと更新を適切に実施しましょう。
VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上での通信を暗号化し、企業のデータとネットワークの安全を保つために不可欠です。リモートワークが普及するなか、外部の脆弱なネットワークから企業の内部リソースへ安全にアクセスする手段として重要な役割を果たしています。VPNの適切な管理と使用によって、サイバー攻撃のリスクを軽減でき、企業のセキュリティ対策を強化しています。
DLP(Data Loss Prevention)は、データの移動を監視し、機密情報が含まれるファイルやメッセージが企業のネットワーク外に送信されることを検知するシステムです。電子メール、クラウドストレージ、外部デバイスへのデータ転送など、さまざまな経路での情報漏洩を防ぐことができます。特にリモートワークやモバイルデバイスの使用が増加する現代において、DLPは企業の情報セキュリティを強化し、データ漏洩によるリスクを軽減するために不可欠なツールです。
NAC(Network Access Control)は、ネットワークへのアクセスを厳格に管理し、認証されたデバイスのみが接続できるようにするシステムです。デバイスのセキュリティ状態を確認し、ポリシーに準拠していないデバイスのアクセスを制限または拒否できます。多様なデバイスが接続される現代のネットワーク環境において、不正アクセスや内部からの脅威に対する効果的な防御策となります。
クラウド上のデータやサービスを外部の脅威から守るために、データの暗号化、アクセス管理、脅威検知システムの導入が重要です。極めて多くのアプリケーションがクラウドで提供されるようになった現代では、基幹系のような高いセキュリティが求められるシステムもクラウドベースでの利用が可能になっています。一般論としてクラウドセキュリティが重要なのは言うまでもありませんが、従来であればクローズドネットワークで接続されていたシステムをクラウドベースで利用する際には、クラウドセキュリティの重要性はさらに高まります。適切な対策により、企業はクラウドの利便性を享受しつつ、データとシステムの安全を確保できるでしょう。
クラウドセキュリティについて詳しくは「クラウドセキュリティとは?リスクと対策、オンプレミスとの違いを解説」をご覧ください。
上記に挙げたさまざまな対策を講じることで、ネットワークセキュリティを強化でき、サイバー攻撃やデータ漏洩のリスクを軽減できます。また、自然災害に強いデータセンターやクラウドサービスを利用することで、物理的なリスクからもデータを保護し、ビジネスの継続性を強化することもできるでしょう。信頼できるプロバイダーのサービスを活用することで、より安全なビジネス環境を実現できます。
災害に強いデータセンターについて、詳しくはお役立ち資料「失敗しないデータセンター選び 5つのポイント」をダウンロードしてぜひご覧ください。
今回の記事では、セキュリティの基本から、サイバー攻撃の現状、実践的な対策ポイントまでを解説してきました。サイバー攻撃から身を守るべく、企業には多層的なセキュリティ対策が求められています。また、セキュリティ対策は一度設定すれば終わりではありません。常に最新の脅威に対応し、更新し続ける必要があります。自社で一から対策を実施するには専門知識や多大なコストが必要なため、外部の専門家のサポートを受けるのもおすすめです。
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