会社で統一する現実的なリモートワークの方法

課題解決のためのノウハウ
テレワーク(リモートワーク)の普及が加速する近年、自社のIT基盤をどのように構築するかは、事業の成長と継続性に直結する重要な課題です。そして、テレワーク環境を整備するにあたって避けて通れないのがクラウドです。クラウドを活用したツールはユーザーへの利便性を確保しますが、その一方で特にセキュリティ面での不安が大きいという情報システム担当者も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、テレワークという観点からクラウド導入の必要性やメリット・デメリットを検証します。加えて、自社にとって最適なクラウドを選ぶためのポイントにも焦点を当て、組織が直面しがちな課題を解決するヒントも解説します。テレワーク時代のクラウド選びに悩んでいる方はぜひ最後までご覧ください。
クラウドとは、インターネットを介してサービスやリソースを利用する「クラウドコンピューティング」のことを指します。多くのサービスが提供されるようになった最近では、クラウドという言葉だけでサービスやツールを表すことも珍しくなくなりました。
従来の業務ツールは、自社でサーバーを導入して構築した社内ネットワークの中だけで使われていました。しかし現在は、インターネット上にあるサーバーにシステムやツールを構築することで、インターネット環境さえあればどこでも業務を行うことが可能になりました。
こうしたクラウドコンピューティングを核として実現されるのが、物理的なオフィスによる制約を受けないテレワークです。たとえば、日報をメールで送るためだけに外出先から帰社したり、承認者が出張中で業務プロセスが止まってしまったり、といったことがなくなるため、業務を大幅に効率化することが可能です。つまり、クラウドは業務に必要なコミュニケーションや意思決定を劇的にスピードアップする技術だと言えます。労働人口の減少という日本社会が抱える深刻な課題を背景に、政府も働き方改革の目玉としてテレワークの普及を継続的に推進しています。
コスト・セキュリティのバランスの取れたテレワーク(リモートワーク)について、詳しくは「会社で統一する現実的なリモートワークの方法」をご覧ください。
テレワーク環境でのクラウド利用は、多くのメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットも存在します。適切なサービス選定と運用計画をしっかり立案することで、メリットを最大化し、デメリットを最小限に抑えることが可能です。
任意の場所からインターネットを通じて業務にアクセス可能なため、自宅や出張先からも効率的に仕事ができます。
物理的なサーバーやストレージの設置が不要で、初期コストを大幅に削減できます。また、料金は使用に応じてクラウドサービスプロバイダーから請求を受ける形になるので、コストの柔軟性や管理のしやすさを確保できます。
サーバーの保守やアップデートがクラウドサービスプロバイダーによって管理されるため、ITシステム管理の手間が削減されます。
クラウドサービスプロバイダーによっては、高いスケーラビリティを持つものもあり、自社のビジネスニーズに合わせてリソースを柔軟に拡張・縮小できます。
専門のクラウドサービスプロバイダーを選べば、高度なセキュリティ対策を提供していることも多いです。
異なる地域のチーム間でリアルタイムのコラボレーションを実現できます。
クラウドのメリットについて、詳しくは「クラウドとは?その種類や活用のメリット・デメリット、導入のポイントを解説」をご覧ください。
クラウドを使用している限りはクラウドサービスプロバイダーへの利用料の支払いが常に発生します。これは、仮に使用するボリュームが大幅に下がったような場合にも契約によってはコストが発生してしまうため、長期的なコスト管理という面では注意が必要です。
常時安定したインターネット接続が必要で、接続が途絶えると業務が中断されるというリスクがつきまといます。
クラウドサービスプロバイダーに自社が取り扱うデータを委ねることになるため、セキュリティ上のリスクを考慮する必要があります。
クラウドサービスプロバイダーの障害がビジネスに影響を及ぼす可能性があります。
利用するクラウドサービスプロバイダーによっては、カスタマイズの範囲が限定されている場合があり、自社に最適なクラウド設計を実現できない可能性があります。
既存システムからクラウドへのデータ移行は複雑で時間がかかることがあります。
クラウド導入前に、どのような課題が生じそうかを社内でしっかり検討することをおすすめします。不安な点を解決しておくことで、テレワーク環境におけるクラウド導入をよりスムーズに進められるでしょう。
クラウドのデメリットの最小化について、詳しくは「BCP対策においてクラウド活用が生み出すメリットとは?デメリットを最小化するための注意点も解説」をご覧ください。
テレワークにおいてクラウドを導入する際には、以下のポイントを自社内で押さえることが重要です。
なぜクラウドを導入するのか、まずは目的を明確にしましょう。自社の目的が明確になることで、目的達成に向けた適切なクラウドを選択することができます。
クラウド導入には従業員の理解やスキル、知識が必要になります。初めは部分的に導入し、徐々に拡大するなど、無理のない計画を立てましょう。
クラウドの利用は従量課金制または定額制であり、ランニングコストが発生します。自社の必要量を理解し、コストの目安を大まかに把握することが大切です。
セキュリティ対策は、クラウドサービスプロバイダーに依存する部分が大きなポイントです。クラウドサービスプロバイダーのセキュリティレベルのチェックに加えて、ユーザー側でも適切なセキュリティ設定を行う必要があります。
クラウドに保存するデータを慎重に選び、テレワークを行う従業員に「データの扱い」や「セキュリティ」について社内教育を実施することが重要です。
クラウドサービスプロバイダーの信頼性を確認し、管理体制やサポート体制、セキュリティ対策を検討しましょう。
クラウド導入に必要な業務設計力、データ移行の工数、プロジェクト管理能力といった社内リソースを確保する必要があります。必要な人材や時間が不足していれば、導入に支障が出る可能性があります。
クラウドを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。
導入前の相談や、導入・システム構築のサポート、運用中のエラー対応など、サポート体制が整っているサービスを選びましょう。
自社の業務に必要なデータ容量を満たすクラウドを選ぶことに加えて、将来の事業計画も考慮してスケーラビリティにも注目しましょう。
操作が簡単で、業務にすぐに活用できるクラウドを選びましょう。操作が難しいサービスは、社内での定着に時間がかかる可能性があります。
機能に関しては、「自社業務に必要十分なもの」であることが重要な条件です。自社の業務に必要となる機能が搭載されていないクラウドを選ばないことはもちろんですが、自社で使わない機能が大量に搭載されていても、使い勝手が悪くなってしまうことがあります。特にテレワークでは、マルチデバイス対応やアクセス権限の設定、自社がすでに導入しているシステムやサービスとの連携といった機能について注目しておきましょう。
実際に使用する機能のトータルコストを比較し、自社の現状や使用目的に合ったクラウドを選びましょう。従量課金や固定料金制など、料金体系の違いに注意することも重要です。
暗号化通信、IPアドレス制限、端末認証など、適切なセキュリティ対策が取られているか十分確認しましょう。テレワークでクラウドを使うということは、物理的にユーザー行動の監視ができず、常にインターネットを介したサイバー攻撃のリスクにさらされているという環境です。セキュリティインシデントが発生した際や、クラウドサーバーが何らかの理由で停止した際のクラウドサービスプロバイダーが想定している対応を、事前に自社でチェックし共有しておくことも重要と言えます。
今回の記事では、テレワーク環境におけるクラウドの重要性、そのメリットとデメリット、導入時の確認ポイントやサービス選定基準について解説しました。クラウドの導入によってテレワーク環境を整備することは、業務の劇的な効率化につながる一方で、セキュリティ対策やコスト管理といった慎重に検討すべき課題も生まれます。自社の業務の詳細と導入目的を明確にして最適なクラウドを選択することが、テレワーク時代における成功への鍵と言えるでしょう。
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