サーバーとは?さまざまなビジネスで活用される
サーバーの種類や用途を解説

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販売・営業・会計管理、マーケティング支援、生産計画など、ビジネスのあらゆる業務でITツールを活用したデジタル化が進んでいます。そこで重要となるのがサーバーの存在です。例えば、取引先とメールのやりとりをするにはメールサーバーが必要になります。顧客データの管理をするためにはデータサーバーが欠かせません。ほかにもサーバーにはさまざまな種類があり、サーバーの効果的な活用が業務効率化や生産性向上につながると言えるでしょう。
今回は、サーバーの概要、その種類や用途についてお伝えします。情報システム部門でサーバー活用の検討をされている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

サーバーとは?

そもそもサーバーには、何かを「提供する」という意味があり、利用する側の要求に応答したデータや処理を提供するもののことを言います。例えばコンピューターにおいては、特定のWebサイトやデータを閲覧したいといった要求を出した際に、それに応えてこれらを表示するのがサーバーです。

サーバーとパソコンの違い

サーバーの形態にはいくつかの種類があるものの、基本的にはCPUやメモリ、HDDなどで構成されている点についてはパソコンと変わりません。ただし、大きく異なるのは役割です。サーバーは利用する側の要求に応答したデータや処理を提供するものですが、パソコン(携帯端末も含む)は一般的には要求を出す側であり、クライアントと呼ばれます。
さらに、何千何万の人が、それぞれ別のWebサイトを見ようと同時にアクセスする場合があるのもサーバーの特徴です。そのため、急激なアクセス増にも応えられるよう、パソコン用よりも高い性能を持つサーバー専用のCPUが使われています。そして、その状況は24時間365日続くため、基本的に稼働を止めることはありません。また、災害にも対応できるよう筐体が耐久性の高い部品で囲われていることや、電源トランスが二重化されているなど電源障害に強いことなどがパソコンとの違いと言えるでしょう。

サーバーの種類

サーバーの種類は、物理サーバーと仮想サーバーの2つに大きく分けられます。それぞれの概要は次のとおりです。

物理サーバーとは?

物理サーバーとは、物理的に存在するサーバーを指し、デスクトップパソコンに近い形態をしているのが一般的です。基本的にサーバー専用のOSがインストールされ、CPU、メモリ、ストレージなどを有した単一のサーバーとして機能するものです。
物理サーバーには、共用サーバーと専用サーバーがあり、それぞれの違いとしては次の点が挙げられます。

共用サーバー

1台のサーバーを複数の企業もしくは個人で利用するサーバーです。一般的にレンタルサーバーでよく見られるタイプで、複数ユーザーで使うためカスタマイズ性は高くありませんが、利用料金が安く、保守管理の手間もかかりません。

専用サーバー

1台のサーバーを1社もしくは1人で専有して利用するサーバーです。自社にサーバールームを設置し、いわゆるオンプレミスで使う場合もありますが、レンタルサーバーにも専用サーバーのサービスがあります。
自社専有で使えるため、カスタマイズの自由度は高くなりますが、レンタルの場合でも利用料金が高額になります。また、オンプレミス型の場合、保守管理も自身でやらなくてはなりません。

仮想サーバーとは?

仮想サーバーとは、仮想化技術を用い、1台の物理サーバーを複数台の仮想マシンとして分割して利用するものです。分割されたそれぞれのサーバーには、CPU、メモリ、ストレージといった独自の仮想リソースが割り当てられているため、独立したOSとアプリケーションを実行できます。
仮想サーバーには、VPSとクラウドサーバーがあり、それぞれの違いは次のとおりです。

VPS

VPSとは、Virtual Private Server(ヴァーチャル・プライベート・サーバー)の略称で、1台の物理サーバーを複数ユーザーで共用します。それぞれが別々の環境として仮想マシン上に構築されるため、各ユーザーは独立した環境を持つことが可能となります。ただし、共用の物理サーバーに問題があると、すべてのVPSに影響が及ぶリスクもあります。

クラウドサーバー

クラウドサーバーは、クラウド環境で構築されたサーバーです。VPSのように1台の物理サーバーを仮想化技術で分割するわけではなく、複数台の物理サーバーに機能が分散されており、目的や用途に応じてユーザーが自由に設定を行えます。VPSもカスタマイズ性の高いサーバーですが、クラウドサーバーはカスタマイズ性がさらに高いのが特徴です。
クラウドについて詳しくは、「クラウドとは?その種類や活用のメリット・デメリット、導入のポイントを解説」をご参照ください。

サーバーの用途

ビジネスでは、前述した物理サーバー、仮想サーバーのなかから自社に適したサービスを選択して利用します。ここでは、サーバーの用途にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。

Webサーバー

HTMLやCSS、画像、動画ファイルなどのWebサイトに関わるデータを記録しているサーバーです。クライアント(パソコンやスマートフォン、タブレットなど)が指定したWebサイトをモニターに表示させます。
なお、Webサーバーのほかには、クライアントの要求に応じてデータベースにあるデータを返す「データベースサーバー」、アプリケーションプログラムを動作させる「アプリケーションサーバー」もあります。
例えば、ユーザーが特定のWebサイトにログインする場合で見てみましょう。
ユーザーがユーザー名とパスワードを入力した際、Webサーバーがその情報を受け取り、アプリケーションサーバーに渡します。アプリケーションサーバーはデータベースサーバーに問い合わせ、入力されたユーザー名とパスワードが正しいかどうかを確認し、Webサーバーに処理結果を伝えます。間違いがなければ、ユーザーの画面にログイン後のページを表示させ、ログイン完了です。

DNSサーバー

DNSとは、Domein Name System(ドメイン・ネーム・システム)の略称で、IPアドレス(インターネット上の住所のようなもの)とドメイン(Webサイトの名前のようなもの)を紐付けるためのサーバーです。
IPアドレスは、183.176.243.97といった数字の羅列であり、言うなれば住所を緯度と経度で表示したようなものです。これを見ただけではその場所がどこであるかは見る人には分かりません。そこでその住所を、例えば「東京都渋谷区1-1-1」のような形で(IPアドレスの場合は、https://www.△△△.com)分かりやすい文字列に変換するのがDNSサーバーです。

メールサーバー

メールのやりとりを行う際に利用するサーバーです。メールサーバーは、送信側のSMTP(シンプル・メール・トランスファー・プロトコル)サーバー、受信側のIMAP(インターネット・メッセージ・アクセス・プロトコル)サーバー、あるいはPOP(ポスト・オフィス・プロトコル)サーバーに分かれています。
あるユーザーがメールを送信すると、SMTPサーバーとDNSサーバーが送信先を見つけ、IMAPもしくはPOPサーバーにある宛先のユーザーのメーラーのメールボックスに届く仕組みです。

ファイルサーバー

ネットワーク上でファイルのやりとりや共有を行うためのサーバーです。社内でファイル共有を行う場合、オンプレミス型の物理サーバーを使うのが一般的ですが、外出先や自宅からアクセスする場合、クラウド型のファイルサーバーが使用されることが多いです。
クラウド型のファイルサーバーについて詳しくは、「ファイルサーバーをクラウドに移行するメリット・デメリット、移行のポイントを解説」をご覧ください。

FTPサーバー

FTPとは、File Transfer Protocol(ファイル・トランスファー・プロトコル)の略称で、クライアント側のパソコンとサーバー間でファイルの送受信を行うためのサーバーです。通常、クライアント側の要求により、Webサーバーが要求に応じますが、FTPサーバーを利用すると、クライアント側からWebサーバーへファイルのアップロードを行うことができます。
例えば、クライアント側のパソコンでWebサイトのHTMLやCSSなどを作成し、Webサイトに反映させる場合に、FTPサーバーにアクセスしてアップロードするといった使い方です。

自社に適切なサーバーの選択・運用の実現は外部パートナーの活用がポイント

サーバーとは、何かを「提供する」という意味で、利用する側の要求に応答したデータや処理を提供するものです。以前は物理サーバーしか存在しなかったため、物理サーバーだけが「サーバー」と呼ばれていました。しかし、仮想化技術の進化によってVPSやクラウドサーバーが登場したことで、現在は物理サーバーと仮想サーバーに分けられるようになっています。
近年、業務のデジタル化が進み、顧客データだけではなく、電子化された見積書、請求書などの帳票書類の管理も必要になったことで、サーバーの重要性は高まっています。ただし、オンプレミス型には、運用・維持コストが高い、テレワークに対応できないなどの課題も少なくありません。
そこで、おすすめなのがクラウドサーバーの活用です。定額制のサービスを選択すれば予算設定もしやすく、運用・維持コストも抑えられます。また、専門知識を持った技術者のいる外部パートナーに依頼すれば、カスタマイズも手間をかけずに行えるため、業務効率化や生産性向上に大きく貢献するでしょう。
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