オンプレミスとクラウドの違いとは?
メリット・デメリットと移行の流れをチェック

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オンプレミスとは、従来型のサーバー保管方法です。クラウドサービスが普及するまでは、多くの企業がオンプレミスでサーバーを運用していました。しかし近年は、サーバーにかかるコスト削減やネットワーク最適化による生産性の向上を目的に、クラウドへ移行する企業も増えています。本記事では、オンプレミスとクラウドの違いやメリット・デメリットを比較して紹介します。最後まで読むことで、オンプレミスとクラウドのどちらが自社に向いているか、判断するのに役立つでしょう。

オンプレミスとは?

オンプレミスとは、サーバー機器やネットワーク回線、ソフトウェアなどを自社で用意して、システムを設計・構築することです。オンプレミスはベーシックなサーバーの運用形態でしたが、クラウドサービスの普及に伴い、分かりやすく区別するためにオンプレミスと呼ばれるようになりました。
On premises(敷地内)という言葉の意味どおり、サーバー機器は自社施設内に設置します。運用・保守や障害発生時の対応も、基本的には自社社員の仕事です。サーバーの運用・保守には専門知識を持つ専任者を設置するのが理想的ですが、社員が他業務と兼任しているケースもあります。

オンプレミスとクラウドの違い

クラウドとは、インターネットなどを経由してクラウド事業者が提供するサービスを利用する形態です。サーバー機器やネットワークなどはクラウド事業者が所有しているものを使うため、基本的には自社で用意する必要はありません。サーバーはデータセンターで保管されており、サーバーの運用・保守はクラウド事業者が行います。
データセンターについて詳しくは、「データセンターとは?5つのメリットと失敗しない選び方を徹底解説」をご覧ください。

クラウドは、自社でサーバーを保管するリソースをまかなえないような、中小企業が利用するイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし最近では、クラウドの性能や品質が多様化し、さまざまなニーズに対応したサービスが提供されるようになったため、業種や規模を問わずクラウドへ移行する企業が増えています。

クラウドと比較したメリット

オンプレミスは、クラウドと比較して自由度が高い点がメリットです。自社専用のサーバーを設置するオンプレミスなら、既存システムと連携したり独自のシステムを構築したり、事業に最適な仕様にカスタマイズできます。
オンプレミスは外部のネットワークを使用しないため、ネットワークセキュリティの面から見て安心感があります。セキュリティ対策も自社の求めるレベルにて構築できるので、個人情報など秘匿性の高いデータを取り扱っている企業は、オンプレミスでサーバーを運用していることが多いようです。

クラウドと比較したデメリット

クラウドは、事業者が用意したインフラを利用するため、少ない初期費用で手軽に導入できます。一方でオンプレミスは、サーバーや周辺機器を揃えるのにコストがかかります。また、サーバーを設計・構築するためには時間と労力も必要です。
オンプレミス導入後にも、サーバーや空調にかかる電気代や場所代、人件費といったランニングコストが発生します。さらに、システムを拡張する際にもクラウドより時間とコストがかかるため、資金や人材面では大きな負担が生じるでしょう。
オンプレミスは、クラウドと比べると災害に弱い点もデメリットです。クラウド事業者のサーバーが保管されているデータセンターは、一般的な建物よりも頑丈につくられています。また、非常用電源設備などによって、有事の際にもサーバーを稼働させ続けるための対策が施されています。企業がデータセンター並みの災害対策を実施するのは、難しいでしょう。

オンプレミスとクラウドの選び方

オンプレミスとクラウドにはそれぞれメリットがありますが、結局のところ自社に合った運用方法を選ぶことが重要です。どちらが自社に向いているか判断するためのポイント、オンプレミスからクラウドへの移行方法について説明します。

どちらが自社に向いているか判断するポイント

カスタマイズ性が高いオンプレミスでは、事業において重要なシステムや既存システムとの連携が必要な場合に適しています。ただし、コストや時間、人材を確保できる企業でなければオンプレミスでのサーバー構築は難しいでしょう。
初期費用や時間をかけずにスピーディーにシステムを導入したいのであれば、クラウドが向いています。クラウドは柔軟性が高いので、将来的にシステムを拡張する可能性がある場合にもおすすめです。
クラウド事業者のサーバー機器が保管されているデータセンターは、一般的なオフィスよりも災害に強く強固なセキュリティによって守られています。BCP対策を強化したい企業も、クラウドへの移行を検討してみてはいかがでしょうか。
BCP対策について詳しくは、「BCP対策とは?その目的や策定方法、注意点などを解説」をご覧ください。

クラウド導入のポイントについては、以下のダウンロード資料もご覧ください。
BCP対策をクラウドで行うべき理由やハイブリッドクラウドの運用なども分かりやすく紹介しています。

「クラウドに興味があるけれど、やはりサーバーは自社で所有して運用したい」という考えであれば、コロケーションを利用するのもいいでしょう。コロケーションとは、データセンター内に自社のサーバーや周辺機器を設置するためのスペースを借りることができるサービスです。大切なサーバーを、セキュリティや災害対策が万全な場所で安全に保管できます。
コロケーションについて詳しくは、「コロケーションとは?情報管理担当者が知っておきたい基礎知識」をご覧ください。

オンプレミスからクラウドへ移行する際の注意点

オンプレミスからクラウドへの移行では、失敗が許されません。不具合が発生して事業活動がストップしないためにも、なにをいつどのように移行するのか社内でよく話し合って、綿密な計画を立てる必要があります。クラウドへの移行計画を立てる際には、以下の3点に注意しましょう。

  • 既存のシステムとの互換性
  • 必要なシステムを構築できるか
  • クラウド事業者によるサポート

クラウドでは、自社の既存システムと連携・統合できない可能性があります。クラウドを導入する前に、既存システムとの互換性をしっかり確認しましょう。また、クラウドは、オンプレミスのように自由にシステムをカスタマイズできません。クラウド導入時だけではなく、中長期的に見て自社に必要となるシステムを構築できるのかも精査するべきです。
クラウドへの移行で最も重要なのが、クラウド事業者による移行サポートです。オンプレミスからクラウドへの移行では、双方に関する専門知識が必要となるため、社員だけで計画・実行するのは容易ではありません。移行サポートが手厚いクラウド事業者を選ぶことで、安全かつスピーディーにクラウドへ移行できるでしょう。

ハイブリッドクラウドなら併用可能

「コスト最適化のためにクラウドを利用したいけれど、必要な機能がない。」「既存システムと連携できない。」などの理由により、クラウドへの移行を進められないケースもあるでしょう。そんな場合は、オンプレミスとクラウドを併用するハイブリッドクラウドの利用を考えてみてはいかがでしょうか。
ハイブリッドクラウドなら、オンプレミスとクラウドを使い分けることによって、双方のメリットを活かしつつデメリットをカバーできます。

自社に合ったサーバーの運用方法を選ぼう

オンプレミスは設計の自由度が高く、社内ネットワークで利用できるため安心感があります。一方で、クラウドと比べると導入コストや保守運用の手間がかかることがデメリットです。オンプレミスにもクラウドにもメリットがあるので、自社の事業内容や予算に適したサーバーの運用方法を選びましょう。STNetではお客さまのご要望に合わせてパブリッククラウド型のSTクラウド サーバーサービス[FLEXタイプ]や、完全オーダーメイド型のSTクラウド サーバーサービス[プレミアムタイプ]を提供しています。ハイブリッドクラウド環境のご提案も可能です。クラウド移行を検討中の方は、どうぞご相談ください。

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