コロケーションとは?
情報管理担当者が知っておきたい基礎知識

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課題解決のためのノウハウ

大量のデータが保管されているサーバーの運用・保守は、企業にとって重要な経営課題のひとつです。しかし、運用・保守に関連する業務はネットワークやセキュリティ管理など多岐にわたるため、人手が足りていない企業も多いでしょう。そこでおすすめなのが「コロケーション」です。データセンターのサービス形態のひとつであるコロケーションを利用すれば、サーバーを専門業者に預けられ、サービスによっては保守や運用などを任せることもできます。また、オフィスから離れた場所にあるデータセンターを利用すれば、BCP(事業継続計画)対策にもつながります。コロケーションの意味やメリット・デメリット、選び方を詳しく見てみましょう。

データセンターの種類や選び方については、こちらでも詳しく解説しています。

コロケーションとは?

コロケーションとは、自社のサーバーをデータセンターに預けられるサービスです。データセンターは、サーバーをはじめとしたIT機器を保管するためにつくられた専門施設で、サーバーを安全に運用するための環境が整備されています。
コロケーションの利用者は、データセンター内に与えられた専有スペースに、自由にサーバー機器を設置できます。データセンターの玄関や通路などはほかの利用者との共同スペースです。ただし、データセンター内のエリアごとにセキュリティ対策が施されており、サーバールームへの入室は生体認証システムなどによって特に厳しく管理されています。また、専有するサーバールームやサーバーラックには鍵が取り付けられ、特定の人物しか利用できない工夫がなされているので、安全にサーバーを保管できます。
データセンターについて詳しくは「データセンターとは?5つのメリットと失敗しない選び方を徹底解説」をご覧ください。

ハウジングとコロケーションの違い

コロケーションとよく似たサービスとして、「ハウジング」があります。ハウジングもデータセンター内で自社サーバーを設置するスペースを借りるサービスですが、コロケーションに比べると小規模なイメージです。
ハウジングとコロケーションの区別はデータセンターによって異なり、明確な定義がありません。コロケーションのようにスペースを貸すのではなく、サーバーを設置するためのラックを貸し出すサービスをハウジングと呼ぶ会社もあります。提供するサーバーラックの性能や収納力も、事業者によってさまざまです。

ホスティングとコロケーションの違い

ホスティングは、サーバーの貸し出しサービスです。「レンタルサーバー」といえば、ピンとくる人も多いのではないでしょうか。ホスティングには、ネットワークを通じてひとつのサーバーを複数のユーザーで共用する「共有ホスティング」と、ひとつのサーバーを1社だけで使う「専用ホスティング」の2種類があります。
共有でも専用でも、サーバーの所有者は事業者です。ホスティングはサーバーや周辺機器、ネットワークもすべて事業者が用意したものを利用します。

コロケーションを利用するメリット・デメリット

コロケーションを利用するメリットは、以下の3つです。

  • 災害リスクの軽減
  • セキュリティの向上
  • サーバー管理にかかるコスト削減

メリット1. 災害リスクの軽減

サーバー管理における最大のリスクは、災害です。地震大国である日本では、いつ地震が起きてもおかしくありません。また、地震によって誘発される津波も懸念されます。近年は、大雨による土砂災害も多く発生しています。一般的にデータセンターは、万が一災害が発生した時でもサーバーを停止させないために耐震・免震構造となっており、防火・防水設備なども導入されています。
無停電電源装置や自家発電装置なども用意されているので、有事の際にもサーバーを稼働させるための電力供給能力を保有しています。このように、データセンターではさまざまな災害対策が施されており、オフィスとして利用される一般的な建物よりも安心してサーバーを保管できます。自社とは離れた地域にあるデータセンターのコロケーションを利用すれば、災害リスクを軽減し、BCPを強化できるでしょう。
BCP対策について詳しくは「BCP対策とは?その目的や策定方法、注意点などを解説」をご覧ください。

メリット2. セキュリティの向上

コロケーションサービスを提供するデータセンターは、セキュリティ対策が万全です。ネットワーク経由でのウイルス侵入やサイバー攻撃を防ぐために、性能の高いセキュリティツールを導入しています。また、専門知識のあるスタッフが常駐し、異常を検知したら素早く対処します。
設備のセキュリティ対策も徹底しており、データセンターの敷地では監視カメラ、建物の入り口では入退管理システム、サーバールームでは生体認証システムなど、場所ごとに対策が講じられています。データセンターと同等のセキュリティレベルを実現している一般企業は多くはないでしょう。コロケーションを利用することで、サーバー管理のセキュリティを高めることができます。

メリット3. サーバー管理にかかるコスト削減

自社内にサーバーを設置する場合、スペースの確保やセキュリティ対策などにコストがかかります。夜間や休日も常に空調設備を稼働させなくてはいけないため、多くのサーバーを保有している場合は、コストが高額となるでしょう。
また、企業に求められる温暖化対策の観点からも、空調設備を24時間使用し続けるのは望ましくありません。データセンターならサーバーを設置するための環境が整えられているので、効率よく温度・湿度調整がなされています。複数のユーザーと共用することで、サーバー管理にかかるコストの負担を軽減できます。

デメリット 有事の際にデータセンターへ行く必要があること

企業にとって魅力的なメリットが多いコロケーションですが、障害が発生した場合やメンテナンスの際には、社員がデータセンターへ足を運ばなくてはいけない点がデメリットです。自社にサーバーがあれば移動時間はかかりませんが、BCPやセキュリティの観点からデータセンターの必要性を感じている企業も多いでしょう。
オフィスから近いデータセンターを利用する方法もありますが、BCPの観点からコロケーションを利用するならば、遠方のデータセンターを利用する必要があります。サーバーの監視や保守運用代行などのサポート体制が整っているデータセンターを選ぶことで、デメリットをカバーできるでしょう。

コロケーション利用時のデータセンターの選び方

以下の5点に注意してデータセンターを選ぶと、自社に合ったコロケーションを利用できるでしょう。

  1. データセンターの立地
  2. 建物の安全性
  3. 災害やトラブルへの備え
  4. 柔軟性とスケーラビリティ
  5. 運用サービスやサポートの充実度

コロケーションを利用する際は、まずはデータセンターの立地を検討します。BCP対策としてコロケーションを利用するのが目的ならば、オフィスから遠く、災害リスクの低い場所を選ぶとよいでしょう。万が一にも災害が発生した場合に備え、安全な建物であることも重要です。データセンターの耐災害性を確認しましょう。
電源供給力・ネットワーク環境にトラブルや災害に対応できるような冗長性があれば、より安心です。また、自社の希望をかなえるプランをサービスに見合った料金で提供しているかも大切なポイントです。長期的にコロケーションサービスを利用することを前提として、サービスやサポートを柔軟に拡張・縮小できるかも確認する必要があります。
詳しくは、お役立ち資料「失敗しないデータセンター選び5つのポイント」をご覧ください。

サーバーはコロケーションで安全に保守・運用しよう

セキュリティの向上や災害リスクの軽減のために有効なコロケーション。情報管理担当者の手間を減らし、設置スペースの節約といった面からも有効なサービスです。
STNetが提供する「Powerico(パワリコ)」は、自然災害のリスクが低い土地にある安全性の高いデータセンターです。大切なサーバーの安全な運用・保守についてお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。用途やご要望に応じて、最適なプランをご提案いたします。

この記事で紹介しているサービス

Powerico(パワリコ)

自然災害リスクの低い安全な立地と高信頼のファシリティ、多様な運用サービスで、お客さまのサーバーを安全に保管・運用します。