CCoEとは?クラウド活用推進組織の役割・立ち上げ方・成功ポイントを解説
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社会のデジタル化が進むにつれて、クラウドサービスの利用も一般的なものとなってきました。また、ビジネスにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)においても、クラウドサービスの利用を中心に業務やシステムを設計する「クラウドファースト」という考え方が普及しています。実際、総務省の「令和7年版 情報通信白書」によると、2024年時点で8割を超える企業が何らかの形でクラウドサービスを利用していると回答しました。
一方で、完全なクラウドファーストに踏み切っている企業は多くありません。データの性質や拠点の環境に応じ、データセンターや自社拠点を使ったオンプレミスでのシステム開発も行われています。
本記事では、クラウドサービスの主な種類や利用するメリット、注意点にも触れつつ、クラウドファースト時代におけるデータセンターの役割について解説します。
かつて、基幹システムの開発といえば一般的に自社で準備したサーバールームやデータセンターを利用する「オンプレミス方式」で行われていました。一方、クラウドサービスは長らくセキュリティへの懸念や機能の制約などから、あくまで主要なシステムを補完する役割に留まってきました。
しかし、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどの安全性と性能が向上したクラウドサービスが利用できるようになったことから、基幹系のシステムをクラウド上で運用する事例が増えています。例えば、こうしたハイブリッド構成を前提としつつ、勘定系システムをリスク分散の観点から複数のクラウドサービスに分散配置する「マルチクラウド」を採用する事例も見られます。
さらに、長らくオンプレミス方式でのシステム構築が慣例とされてきた公共分野でも変化が起きています。政府が官公庁や自治体に対してガバメントクラウドというサービスを提供するなど、クラウドサービスの利用が身近なものになっているといえるでしょう。
一方で、2020年にアメリカの大手IT分野のリサーチ・アドバイザリー企業であるガートナーが実施した調査を基にした外部記事では、日本はクラウドサービスへの支出が低い「抵抗国」として分類されていました。こうした背景もあり、日本では今後さらなるクラウドサービスの普及が見込まれています。
参考:日本はクラウド「抵抗国」、米国から7年遅れ中韓露にも劣る最下位ランクだ | 日経クロステック(xTECH:会員限定記事)
参考:クラウドの国別導入状況:日本はクラウド支出の割合が最低レベル:Gartner Insights Pickup(138)- @IT
クラウドサービスにはその利用形態によっていくつかの種類があり、一般的に用途によって使い分けます。ここでは、クラウドサービスの基本的な分類と従来から存在するオンプレミスについて解説します。
SaaSは、クラウドサービスを1つの「完成されたソフトウェア」として利用するサービス形態です。営業管理、経理といった特定の業務に特化した機能が搭載されていることが多く、ユーザーはサーバーの準備や複雑な設定をすることなく、すぐに使い始めることができます。一方で、自社独自のルールに合わせた個別の設定やカスタマイズといった自由度の低さが特徴です。
PaaSは、システムの稼働に必要なプラットフォーム(土台)を、クラウド上で利用するサービス形態です。サーバーの設置をはじめとするインフラの整備はサービスとして提供される一方で、ユーザーはアプリケーションを実装する環境を自由に設定できます。インフラの管理負担を減らしつつ、SaaSよりも自由度の高いシステムを作りたいという場合に、PaaSは有効な手段となるでしょう。
IaaSは、サーバーをはじめシステムが稼働するためのインフラをクラウド上で利用するサービス形態です。クラウドサービス側から広い用途に応じたスペックの仮想サーバー、ストレージなどが提供され、ユーザーの用途に合わせた自由度の高いシステム設計が可能になります。細かな設定まで自分たちで行う必要があるため、IaaSはインフラの知見があるメンバーを中心にシステム構築を行う場合に適した手段といえるでしょう。
クラウドと対極にあるのが、自前で環境を整える「オンプレミス」です。自社でサーバーやネットワーク機器といったインフラを保有し、自社のサーバールームなどで運用する方式を指します。自社の中でシステムに関する設備を保有し管理できる一方で、運用にかかるコストやメンテナンスにあたる人員が必要になるなど、負荷が大きいという欠点があります。
クラウドファーストを軸に業務やシステムの設計を進めることで、どのような変化がもたらされるのでしょうか。ここでは、クラウドファーストによって期待できる3つのメリットを紹介します。
オンプレミス方式のシステムで必要となるサーバーやストレージ、ネットワーク機器といったハードウェアは、基本的に5年ごとの更新が前提です。そのため、ハードウェアの保守期限を迎えるたびに、システムの更改を検討しなければなりませんでした。
その点、クラウドファーストを前提としたシステムの設計を行うことで、従来のオンプレミス方式では避けられなかったハードウェアの管理が不要になるでしょう。
また、システム運用期間中に、ハードウェアの故障やメンテナンスの対応が生じる場合があるでしょう。クラウドサービスを中心としたシステムを導入することで、運用保守に携わる人員不足の解消やハードウェア管理業務の大幅な削減が期待できます。
クラウドサービスの利用料の多くは従量課金です。そのため、システムが要求する性能や機能を正しく考慮すれば、オンプレミス方式よりも効率的な運用が可能になります。
また、システムによりスペック不足を感じた際にも、オンプレミス方式では物理的なパーツの追加作業が必要なのに対し、クラウドサービスであればポータル画面からの操作で即座にシステムを拡張することが可能です。
多くのクラウドサービスでは、暗号化やサイバー攻撃の検知などのセキュリティ対策がサービスの一部に組み込まれています。本来はユーザー側で個別に対策が必要なものをサービスの1つとして利用できるため、セキュリティ対策と運用の手間が大幅に軽減されるでしょう。
また、クラウドサービスによってはAWSにおける「AWS Security Hub」のように、システム全体のセキュリティ管理を一元化できる仕組みがあるため、複雑なシステム全体により実効性の高いセキュリティ対策をすることが可能になります。
クラウドサービスを利用するメリットがある一方で、利用時に注意すべきポイントもあります。ここでは、クラウドファーストを実現する際の注意点について見ていきましょう。
クラウドサービスでは、セキュリティの観点からユーザーに対して適切な利用権限を与えることが重要です。システムの運用では、管理者と一般ユーザーで与える権限を分けるのはもちろん、各ユーザーに与える権限は必要最小限に留める(最小権限の原則)ことも重要といえるでしょう。こうした権限管理を徹底することで意図しない誤操作や設定ミスによる情報漏洩などのリスクを最小限に抑えられます。
クラウドサービスは一般的に従量課金制です。サービスを使った分に応じて利用料が増えることから、設定ミスや過剰なリソース消費など、意図しない形での利用により当初想定していた予算を超える金額が請求される可能性があります。そのため、クラウドサービスの利用状況を定期的に監視するとともに、不要なサービスは停止するなどの対策が必要です。
特定のクラウドサービスのみに依存し、他サービスへの乗り換えが困難になる状態を「ベンダーロックイン」と呼びます。1つのサービスに依存している場合、サービス内容や料金体系の変更などがあった際に他サービスへの移行が難しくなり、経営上のリスクになる可能性があります。ベンダーロックインを回避するために、複数のクラウドサービスを比較したうえで、必要に応じて複数サービスを組み合わせた形でのシステム設計を行うことが望ましいでしょう。
クラウドファーストの時代においても、データセンターはセキュリティや災害対策といった点で重要な役割を果たします。ここでは、データセンターが持つ3つの役割について紹介します。
システムの特性に合わせて、クラウドとオンプレミス方式を連携させて運用する「ハイブリッドクラウド」という仕組みがあります。このとき、データセンターは各システムをつなぐ通信ハブとして活用でき、機密性の高いデータはデータセンター内のオンプレミス方式、柔軟な処理が必要な部分はクラウドへ任せることが可能です。
例えば、AWSではDirect Connectというオンプレミスとクラウドをつなぐ通信サービスが提供されており、ハイブリッドクラウドを実現するための技術的なハードルも低くなっているといえます。
システムで扱う業務やデータによっては、セキュリティやDR(災害復旧)の観点から、クラウドとオンプレミスを併用することが最適解となる場合があります。オンプレミス側の環境については、データセンターの活用も視野に入れるとよいでしょう。
システム利用者の個人情報や企業の機密情報などは、自社の管理が行き届くデータセンター内部で管理することがあります。
クラウドサービスでは、通信やデータの暗号化といったセキュリティ対策は提供されるものの、データが保管されるサーバーが他のユーザーと共用になるケースもあり、PaaSやSaaSではデータの保管場所を詳細に指定できないことも少なくありません。そのため、秘匿性の高いデータを扱うにはデータセンターの活用が一つの選択肢になるでしょう。
BCP(事業継続計画)の観点からも、データセンターの役割は重要です。多くのクラウドサービスでは、データのバックアップ機能をはじめとしたBCP対策が提供されています。クラウド側でバックアップをとるだけでなく、物理的に離れたデータセンターにもデータを保管しておくことで、より災害に強いシステムを実現できるでしょう。
AWSやMicrosoft Azureなどの主要なクラウドサービスでは、クラウドサービスとオンプレミスを併用する形でのBCP対策が用意されています。
クラウドサービスの普及が進み、従来のオンプレミス方式から業務やシステムの設計がクラウドファースト化される事例が増えています。しかし、クラウドファーストの時代だからこそ、セキュリティやBCPを支える基盤としてデータセンターの重要性が増しているともいえるでしょう。
STNetのデータセンター「Powerico(パワリコ)」は、災害リスクの低い立地と運用の信頼性を強みとしています。また、視覚的な操作が可能な独自のポータル画面「FLEX GUI」を備えたIaaS型クラウドサービス「STクラウド サーバーサービス[FLEXタイプ]」も展開しています。煩雑になりがちなサーバーやネットワークの構成変更等も、容易に実施することが可能です。
クラウドファーストを実現する手段の一つとして、ぜひ一度STNetのサービスに触れてみてください。