導入事例-STANT

スタンシステム株式会社

徳島県のITベンダーが挑むSaaS戦略
全国展開を支えるLGWAN環境とは?

徳島県を中心とした企業や自治体に多様なITソリューションを提供するスタンシステム。同社は地域密着型の事業展開を図る一方、近年ではクラウド事業にも注力している。その一環として提供を開始したのが、自治体向けオンラインストレージサービス「LGWAN-DECO全国サービス」だ。その基盤にはSTNetの「STクラウドサーバーサービス(FLEXタイプ)」を採用。これにより事業リスクを減らしつつ、全国の自治体に安全・安心なサービスを展開することが可能になった。

ポイント

「徳島県LGWAN-DECO」を 全国の自治体向けサービスに

眞鍋 厚氏

徳島県の地域密着型SIerとして成長を続けるスタンシステムは、企業や自治体に多様なソリューションを提供している。

近年は強みであるSI事業に加え、パッケージ開発やクラウド事業にも注力し、業容を拡大。「なかでもクラウド事業は今後の成長を支える柱の1つと位置付けています」と同社の眞鍋 厚氏は話す。

その中核サービスの1つが、総合オンラインストレージサービス「DECO」である。DECOは大容量のファイルをブラウザベースで安全かつ簡単に送受信できるWebアプリケーション。ネットワークにつながる環境さえあれば、場所やデバイスに依存せず大容量のデータをセキュアにやり取りできる。

一般向けのクラウド版のほか、オープンソースソフトウェア(以下、OSS)としても公開。OSS版は鳥取県や宇都宮大学など、全国の自治体や大学、研究機関などで広く利用されている。さらに2009年には徳島県と「自治体OSSキット」を共同開発。この自治体OSSキットの一部にDECOがあり、徳島県内の自治体向けに総合行政ネットワーク「LGWAN」に対応したサービスを提供している。

自治体では個人情報や政策に関わる情報など、極めて機密性の高い情報を扱う。セキュリティ確保の観点からファイルの送受信におけるLGWAN接続は必須要件だ。「徳島県様の要望を汲んで開発した自治体OSSキットですが、セキュリティに関する同様のニーズを抱える自治体様は全国に数多くあり、LGWAN対応について、お問い合わせやご要望をいただいていました」と眞鍋氏は語る。

LGWAN接続に対応した基盤の信頼性と 地域に根差した安心感を評価

LGWAN対応のDECOを全国区のサービスにしたい—。その計画の最大の障壁となったのが、投資回収リスクだ。

「全国規模のサービスを開始する場合、必要なITリソースを適切に予測して確保することは容易ではありません。ただし、重要なデータのやり取りも想定されるだけに、サービス品質は最優先。リソースに余裕を持たせるにはどうしても過剰な投資とならざるを得ず、それが事業上の大きなリスクになる可能性があったのです」(眞鍋氏)

この課題を解消するために同社が選定したのが、STNetの「STクラウドサーバーサービス(FLEXタイプ)」である。

LGWANに接続したアプリケーション提供基盤をSTNetが提供してくれるため、これらを自前で用意する必要がありません。開発に関わる初期投資も大幅に抑制し、LGWAN接続料の負担も低減できます」と眞鍋氏は選定の理由を述べる。つまりSTクラウドサーバーサービス(FLEXタイプ)を基盤にDECOの仕組みを実装するSaaS形式として提供することで、全国の自治体に向けたサービス提供が可能になったのだ。

また高い信頼性も大きな選定ポイントになった。
SaaSとして提供するにあたり、基盤の信頼性は重要なポイントとなります。サーバーや通信回線の運用はSTNetにお任せできるため、当社はSaaSの品質維持に専念できる体制が整いました。万が一トラブルが発生した場合でも、迅速・的確なサポートが可能です。事実、こうした安心感を決め手に、採用していただいた自治体様もいらっしゃいます」(眞鍋氏)。

「LGWAN-DECO全国サービス」の概要

LGWAN接続の仕組みや通信回線、アプリケーションの開発・提供基盤などをSTNetが提供。これを活用することで、地方のITベンダーでも全国の自治体向けサービスの提供が可能になる

マイナンバー制度の運用を支え 外部業者とのシームレスな連携も

新サービスは「LGWAN-DECO全国サービス」として、全国の自治体向けに提供中である。

また、今後の用途の1つとして同社が見込んでいるのが、マイナンバーの情報管理だ。総務省はマイナンバーの運用にあたって不正通信監視機能の強化など高度なセキュリティ対策を講じることを求めている。「LGWAN-DECO全国サービスを利用すれば、総務省が求めるニーズに対応したセキュアな情報の伝送が可能になります」と眞鍋氏は主張する。

セキュリティを確保しつつ、外部の民間企業とのシームレスな情報交換も可能だ。LGWAN-DECO全国サービスは自治体と取引のある外部の民間企業とのデータ交換も見据え、LGWANとインターネットとの相互連携にも対応する。「相互連携することで、地震などの有事の際にも、防災対策に必要な測量データも安全かつ迅速にやり取りできます」と眞鍋氏はメリットを語る。

新サービスの提供を通じ、新しいビジネス展開が可能になったスタンシステム。
アイデアや画期的なサービスさえあれば、規模や場所、自社のITリソースに制限されることなく、容易に新しい事業のスタートが可能です。これこそがクラウドのメリット。今後もSTクラウドサーバーサービス(FLEXタイプ)を上手く活用し、全国の自治体や企業の発展に貢献していきたい」と眞鍋氏は語った。

PROFILE

社名 :スタンシステム株式会社   所在地 : 徳島県徳島市万代町3-5-4 近藤ビル3階   設立 :1982年4月   資本金 :1600万円
代表取締役 :眞鍋 厚

事業概要 : コンピュータ販売、ソフトウェア開発・販売、サービス・クラウドコンピューティング事業などを展開。長年の実績と経験を活かした「提案力」を強みに、現場力を高める最適なITソリューションを数多く提供する。近年はクラウド事業を強化し、自社開発システムのSaaS化を推進。全国レベルの事業展開に力を注ぐ。
URL https://www.stansystem.co.jp

掲載している所属部署名、役職名は2017年7月時点のものです。

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